ウォルサム ウォッチカンパニー(第一回)

こんにちは。店長です

たまには、時計の歴史でもお話しましょうか。
・・・ってことで、久しぶりのお題はウォルサム(The American Waltham Watch Company)を紹介しますね。

ウォルサムはエルジンに次いで規模も大きく、アメリカ懐中時計では馴染みの深いメーカーです。
現在はスイスに製造拠点を移してウォルサムの名前は引き継がれています。

ウォルサムの歴史は、1850年にまで遡ります。
最初の会社は、米マサチューセッツ州のロクスベリーに設立されました。
主な出資者は、デービット・デイビス、アーロン・デニソン、エドワード・ハワードです。

彼らの目標は、交換可能なパーツを使い、なるべくローコストで高い品質の懐中時計を作り出すことにありました。

彼らが初めて作りだした時計は1850年に完成しましたが、早速問題が起こりました。
製造の過程で思い付いた新しいアイデアを形にするのに、更に多額の資金が必要だったのです。


当時のウォルサム製造工場の様子

 
 
その新しいアイデアとは、軸受けに宝石を使うとか、文字盤の製法に関するものや、ムーブメントのプレートに高品位な仕上げを施す(※ダマスキーン模様のように)といったものです。

また、交換可能なパーツを使って時計は設計されましたが、それでも個々の時計には細かな違いがあり、修理で単にパーツを交換する以外にも幾つもの問題をクリアする必要がありました。
この問題をクリアするのに、彼らは数カ月を要しました。

1851年 会社の製造工場が完成し、彼らは本格的にビジネスをスタートさせます。
その社名は、アメリカン・ホロロジー・カンパニー(American Horologe Company) と言いました。

この会社が作った時計が公式に販売されるまでには少々時間が掛かり、最初に販売されたのは1853年と言われています。

また、この年1853年の9月には社名を、ボストン・ウォッチ・カンパニー(The Boston Watch Company)へと変更しています。

更に、マサチューセッツ州ウォルサム市に工場を設立したのが1854年のこと。

彼らが製造した、シリアルナンバーの1001番~5000番までのムーブメントには、
“Dennison, Howard, & Davis,”
“C.T. Parker,”
“P.S. Bartlett.”

などの刻印が入っていました。


ごく初期に作られたウォルサムのムーブメント写真。

 
 
しかし、前述の通り、製造に関して多くの問題を同社は抱えていました。
50年代、同社は一連の金融再編と共に数回の社名変更を余儀なくされます。

・ボストン・ウォッチカンパニー(The Boston Watch Company)
 ⇒ 採算が取れず、1857年 オークションにて売却。トレイシー・ベイカー&カンパニーとして再編。
・トレイシー・ベイカー&カンパニー(Tracy, Baker&Co.)
 ⇒ 1857年後半に、更に社名をアップルトン・トレイシー&カンパニーへ変更。
・アップルトン・トレイシー&カンパニー(Appleton, Tracy&Co.)
 ⇒ シリアルナンバー5001番~14,000番までを製造。
・アメリカン・ウォッチカンパニー(American Watch Company)
 ⇒1859年に、ウォルサム・インプルーブメントカンパニー(Waltham Improvement Co.)と、アップルトン・トレイシー&カンパニーを合併して誕生。

(第二回へ続きます・・・)