おすすめの懐中時計を選ぶ8大ポイントとは?

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なぜ、”おすすめの懐中時計” を探すのですか?

懐中時計はどうやって選ぶのでしょうか? その選び方には重要なポイントがあります。

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これまで、お客様から、おすすめの懐中時計を教えて貰えませんか?というお問い合わせを何度も頂戴してきました。

そもそも、なぜ、”おすすめの懐中時計” を知りたいのでしょうか?
恐らく、多くの方にとって、懐中時計にあまり馴染みがないからではないかと僕は考えています。
 
懐中時計の美しさには普遍的なものがあり、あなたは興味を持ったワケです。

機械式、それもアンティークの懐中時計を選ぶ基準を知りたいのだと思います。
また、懐中時計のことをある程度知っている場合には、メーカーや、スペックで懐中時計を選ぶための情報が欲しいのかも知れませんね。
 
初めての懐中時計選び。あるいは、ある程度懐中時計の知識をお持ちの方でも、後悔しない懐中時計を選ぶために、何を押さえておくと良いのでしょうか?

ここでは、そんな懐中時計を選ぶ際のポイントをまとめてみました。
ここでは、懐中時計の初心者を対象に説明しますが、コレクションしている方にも参考になる内容としてまとめました。
 

懐中時計を選ぶ8大ポイント

それでは、懐中時計を選んでいく際のポイントを順を追ってご説明させていただきます。
 

★ポイント1:使う用途を考える

第一のポイントは、懐中時計をどう扱うか?その用途を考えてみることです。
ここでは4つの点から更に細かく説明いたします。
 

・持ち歩くか?それとも飾るのか?

まず考えるべきは、懐中時計を持ち歩くか?それとも飾るか?という点でしょう。
懐中時計は、据え置き型のクロックに比べて、時計を持ち歩ける点において画期的な進化を遂げた道具です。

しかし、当時は提げ時計と呼ばれていた時期もあり、大きな懐中時計を壁や馬車などに吊るして使用していたと言われています。

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実際に、懐中時計を購入する場合も、これと同じことを考えると良いです。

つまり、部屋に飾ったり、コレクションとして鑑賞することをメインに楽しむのか。
或いは、普段から持ち歩いて、実用として懐中時計を使うのかどうか?です。
恐らく、多くの方は、普段使いを前提に購入される場合が殆どでしょう。
購入後に、どういった利用を想定しているか、考えてみるのが良いと思います。
 

・見るか・魅せるか?

懐中時計は、見ることを優先する時計としての使い勝手という側面と、魅せることを優先し、デザインを取るという側面があります。

前者はオープンフェイスといって、不思議の国のアリスに出てくる白ウサギが使う懐中時計のように前蓋が無いタイプです。
このタイプは、腕時計などと同様、ポケットから取り出して、時間をすぐに確認できるため使い勝手の面において優れています。

一方で、魅せることの代表選手は、ハンターケースでしょう。
ハンターケースとは、二枚貝のように文字盤側に前蓋があるタイプの懐中時計のこと。
ハンターケースの多くは、豊かなケースの装飾が施されているものが多く、デザインの素晴らしさは、息を呑むほどのものがあります。

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懐中時計には魅せるポイントがもう一つあり、懐中時計ならではのムーブメントの美しさを忘れてはなりません。
とりわけ、20世紀前後の懐中時計はムーブメントも魅せるために作られたものが数多く存在し、このムーブメントを目的に懐中時計を求める人も少なくありません。

ただし、ハンターケースは蓋がしっかりと閉じられていて、専用のオープナーという道具を使う以外に、ムーブメントを見ることができるモデルは少ないため、後述する鉄道懐中時計か、スケルトン懐中時計をお選び頂くのが良いでしょう。
 

・贈り物なのか?

かつて、多くの懐中時計は恋人への贈り物や、プロポーズ、記念品、親から子へのプレゼントなど、何か特別なメッセージとして送られることが多くありました。
懐中時計のケースにも、そうしたメッセージが刻印されているものが残っています。
 
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『時は金なり』と言います。人生という限られた短い時間。
 
やはり、人間にとって時間というものには特別な意味があり、それを手に抱くことのできる懐中時計には特別な思いが込められていたのではないでしょうか。
もちろん、現代であっても、贈り物として懐中時計を選ぶ方は多くいらっしゃいます。
この場合は、ご自身の好みより、贈る方の利用シーンを考えて(服装やバッグなど)その方に合ったものをお選び頂くのが良いでしょう。
 

・正確性を取るか?

絶対的な正確性を取るのであれば、電池式のクォーツ懐中時計でしょう。
極論を言うのなら、スマートフォンが一番正確ですね(笑)。

機械式懐中時計の場合、スマートフォンには及ばないものの、機械の保存状態が良く手入れの行き届いた懐中時計であれば、日差が殆ど発生しないものもかなりの割合で存在します。

機械式の場合、時計の向きにより、ある程度ムーブメントが重力の影響を受けてしまうため僅かな誤差は出るものの、日常利用に支障を来すほどではありません。

良好な精度が出る懐中時計が多いということは、アンティークの懐中時計は難しいと考えていた方にとっては明るいニュースではないでしょうか。

誤差が少ない時計を希望する場合、なるべく軸受けに宝石を使った多石モデルをお選び頂くのが良いでしょう。
しかし、多石もせいぜい15~17石程度あれば、軸受けの宝石数としては十分だと言われています。

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しかし、多石であれば必ずしも良いワケではなく、保存状態、メンテナンス状態が時計の精度を大きく左右します。
反対に、保存状態・メンテナンスが行き届いていれば7石程度でも十分な精度が出るものもあります。
多石だけに惑わされず、信頼のおける時計店に相談されるのが良いと思います。
 

★ポイント2:ケースデザインを考える

次に考えるポイントは、ケースデザインです。
ここでは、大きく4つのケースバリエーションについてご説明いたします。
 

・オープンフェイス

Image_8point_6オープンフェイスとは、前述の通り文字盤に前蓋が付いていない一番オーソドックスな形状の懐中時計です。
ストップウォッチのような形を思い浮かべて頂くと分かりやすいと思います。デザインは比較的シンプルなものが多いのが特徴です。

時計としての使い勝手に重きを置いています。また、1920~30年代に掛けて流行したアールデコデザインを採り入れた、アールデコウォッチと呼ばれるケースも存在し、洗練された装飾が施されたオープンフェイス懐中時計も存在します。
 

・ハンターケース

ハンターケースは、文字盤側に前蓋が付いているタイプのケースです。
Image_8point_7オープンフェイスに比べ、一般にケース装飾に華があるものが多く、これぞ懐中時計!と感じる方も多いのではないでしょうか。

デザインの美しさでは、他のケースとは一線を画すハンターケースですが、蓋の蝶番を傷めないよう、ケースの開閉には多少作法があるのと、蝶番の部分からゴミが内部に侵入してしまうことがあるため、例えば、意外に埃が多いジーンズのポケットなどに入れて使うのは避けた方が良いと思います。
 

・ハーフハンターケース

ハンターケースの前蓋に小さな小窓があり、前蓋を開けなくても時刻が確認できるように作られているのがハーフハンターケース懐中時計です。
別名、セミハンター、デミハンター、ナポレオンケースとも呼ばれます)

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かのナポレオンがハンターケースを開閉する手間が煩わしく、手持ちのナイフで前蓋に丸い穴を刳り貫いてしまった…のが始まりと言われています。そのため、ナポレオンケースとも呼ばれるのです。(この真偽は定かではありません)

確かに、このデザインなら、時刻を確認するために、前蓋を開ける手間が省けるため、ハンターケースよりも使い勝手は向上します。

一方、ハーフハンターケースの多くは、デザインが割とシンプルである場合が多く、通常のハンターケースの装飾と比べた場合、控えめなデザインであることが殆どです。

逆に、比較的プレーンなケースデザインが好みならば、ハーフハンターケースは魅力的な選択となるハズです。ハーフハンターを選ぶポイントはココが決め手となります。
 

・スケルトンケース

オープンフェイスの使い勝手と、懐中時計の美しさを両面で味わいたい!こうしたニーズのためにごく少量作られているのが、スケルトンケースです。

これは、文字盤とムーブメント側の両面にガラスがはめ込まれていて、ムーブメントが動作する様子を心ゆくまで堪能することができるのが特徴です。

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当時、懐中時計メーカーのセールスマンが、懐中時計の素晴らしさを宣伝するため、このスケルトンケースを持ち歩いていたと言われ、このことからセールスマンケースとも呼ばれています。

一方で、スケルトンケースは、両面がガラスのため、ガラスを割ってしまう可能性が通常のケースに比べてどうしても高くなりがちです。大抵の場合、ガラスは修理可能ですが、扱いには、少々注意を払う必要があるでしょう。
 

★ポイント3:ケースサイズを考える

次に考えるポイントは、ケースサイズです。ケースサイズは、5つのサイズを押さえておくと概ね大丈夫です。
 

・0サイズ(または、0sと表記)

Image_8point_10 一番小さなケースサイズです。ケース幅が30~35mm前後、重量も30g台と小さめ。
ちょっと小振りな男性用の腕時計ケースと変わらないサイズが特徴です。

このクラスは、ハンターケース懐中時計が多く、オープンフェイスも稀に存在します。
主に、女性をターゲットに作られているケースですが、小さめのケースを好む男性にも愛用する方はいらっしゃいます。
 

・6サイズ(または、6sと表記)

Image_8point_11次に小振りなのがこの6サイズ。ケース幅で40~45mm前後。重量で40g程度です。
6サイズは、女性・男性を問わず扱いやすいサイズと言えます。

このクラスもメインはハンターケース。オープンフェイスは殆ど見かけません。
大きな懐中時計は持ち歩くのに困るけれど、0サイズでは、少し小さいかなという方に好まれるサイズです。
 

・12サイズ(または、12sと表記)

Image_8point_12一番のメインストリームが、この12サイズ。ケース幅で45~50mm前後。
重量がオープンフェイスで45g、ハンターケースで60g前後くらいです。

エナメルなど一部の例外を除き、流通量が比較的豊富で、バリエーションに富んでいます。前述のアールデコ懐中時計の多くは、12サイズである場合が殆どです。

12サイズは、大きさ、重さ共にバランスが良く、価格的にも安定しているため、選びやすいサイズといえます。女性・男性どちらにもお使い頂けるサイズです。稀に、21石や23石などのハイエンドモデルも存在しますが、殆どは15石や17石の中~高級グレードのムーブメントが多く、選びやすいのも特徴です。
 

・16サイズ(または、16sと表記)

Image_8point_13 もう一つのメインは、この16サイズ。ケース幅では、48~52mm前後。
鉄道懐中時計と呼ばれるグレードはこの16サイズ以上が1つの基準となります。

16サイズは、一回り下の12サイズに比べて重量感がグっと増すことです。
概ね80g~100gくらいが標準的な重さですから、12サイズの重量比べると、手にしたときのズジリとした重量感が魅力に感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、サイズが大きくなったことで、ムーブメントの装飾がグっと美しく凝ったものが多く見られるのもこのサイズの特徴です。16サイズは、女性の方がお持ち頂くには少々重いサイズですが、男性ならば16サイズでも問題無いという方は結構いらっしゃいます。
 

・18サイズ(または、18sと表記)

Image_8point_14一般的に、大型懐中時計と言われるサイズです。サイズは53mm~60mm前後。

重量も110~130g程度あり、iPhoneくらいの重さ。ヘビー級の懐中時計です。

しかし、この大きさは魅力でもあります。ケースサイズを存分に活かした見事な装飾や、ムーブメントの繊細な仕上げ、重厚感など、他のクラスでは得られない満足感も数多くあります。

また、このクラスの懐中時計は音にも注目すると良いでしょう。スピーカーのように、ケース自体がムーブメントの音を心地良く増幅しますから、小さなケースに比べて、懐中時計の雰囲気を満喫できるクラスと言えるでしょう。
 

★ポイント4:文字盤の種類

4つめのポイントは、文字盤の種類です。文字盤は大きく、陶製(ポーセリン、ポーセレン)、エナメル、金属などの材質があります。
こちらも特徴をご紹介させて頂きます。
 

・陶製の文字盤

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オフホワイトの陶器製の文字盤です。懐中時計では一番メジャーな文字盤でしょう。

ポーセリン、ポーセレン、瀬戸引きなどと呼ばれますが、いずれも同じです。いわゆる高級な懐中時計は、文字盤の中央部分と、6時位置のサブセコンドが1段ずつ下がったダブルサンクダイアルを採用していることが多いです。

しかし、このダブルサンクダイアルというのは絶対ではなく、1930~40年代に入ると製造コストの兼ね合いから、ハイエンドのムーブメントでも、ダブルサンクダイアルを採用しない文字盤も製造されています。

もちろん、ダブルサンクダイアルは、製造に手間が掛かる文字盤なので一般に高価とされますが、一概に、ダブルサンクダイアルが全て良い…というワケではなく、ケースやムーブメントデザインとバランスが取れていることの方が重要でしょう。
 

・エナメル製の文字盤

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陶製と似た白色ながら、ガラス質で透明感のある乳白色が特徴の美しい文字盤です。

その多くは、金・銀色の見事な装飾が施されていることが多く、陶製の文字盤に比べ華やかな印象であることが特徴です。

一方で、エナメル製の文字盤は、陶製や金属製の文字盤に比べて、素材の粘りがなく、一度ひび割れてしまうと、オーバーホールの度に文字盤を外して分解掃除を行うため、ひび割れが進行してしまう危険性があるので、取扱いにはやや注意が必要です。

エナメル性の文字盤を使った懐中時計は、なるべくひび割れの無いものを探すこと。状態の良いものを探すことを心掛けてみて下さい。
良品が少ない分、保存状態の良いものは、歴史的に見ても価値が高く、コレクションに値する逸品と言えるでしょう。
 

・金属製の文字盤

Image_8point_17 12サイズ、とりわけアールデコ懐中時計などに多く用いられている文字盤です。

ハンターケースの蓋のように、この金属文字盤は、文字盤の中央部分に豊かな装飾が施されている場合があり、オープンフェイスの懐中時計にも、ハンターケースに近い見応えあるデザインを持つものも数多く存在します。

陶製文字盤のようなベーシックな印象こそ無いものの、つや消しのマットな加工が施された文字盤や、縦方向にヘアライン加工が施された文字盤やマルチカラー仕上げなどのバリエーションが存在し、陶製やエナメルとはまた違った味わいがあります。

一方、金属製の文字盤における注意ポイントは、文字盤の腐食です。
金属製ゆえ、時間の経過に伴って文字盤が激しく腐食している場合があるのです。

文字盤の腐食が激しいということは、それだけ懐中時計の保存状態が悪かったという意味でもありますから、文字盤の腐食がかなり目立つ場合は、避けておくのが賢明かと思います。文字盤周囲に僅かな傷みがある程度であれば問題は無いでしょう。
 

★ポイント5:ムーブメントを考える

5つめのポイントは、ムーブメントの種類です。
ムーブメントには沢山のポイントがありますが、ここではざっくりと、宝石数、プレートの種類緩急針(レギュレーター)を見ておくと良いと思います。これらの特徴をご説明させて頂きます。
 

・宝石数について

宝石数は気にされる方が多いですね。〇〇石とか、〇〇Jなどと表現します。
一般的に7石~21石というものが多く、高級懐中時計の中には、23石、24石など多石のムーブメントも存在します。

前述の通り、時計としての精度は15~17石程度もあれば十分だと言われています。
それではなぜ、多石(21石~)のムーブメントに人気があるのでしょうか?

Image_8point_18 それは、ゴールドシャトンがあるからではないかと僕は考えています。

ゴールドシャトンとは、宝石をムーブメントに嵌め込む際、宝石の周りに使われる金のパーツのこと。このゴールドシャトンがグイっとせり出していると、ムーブメントとして非常に見映えが良いので、人気があるのです。

宝石数が絶対ではありませんが、宝石数が多いと確かにムーブメントの見映えが良いのは事実だと思います。
さらに、一般的に高精度とされる懐中時計の多くは21石クラスというイメージがあるため、多石のムーブメントを望む方は一定数いらっしゃいます。

その一方で、21石などの多石ムーブメントの多くは16サイズか18サイズであることが多く、そのサイズを許容できるかどうか?が問題になってくるでしょう。

多石を希望するかどうかは、比較的大きな16、18サイズを持ち歩けるか?をセットで考えておく必要もありそうです。

また、12サイズクラスにも21石や23石などの高級グレード存在しますが、一般に12サイズの懐中時計は、オープナーという工具を使わないと、蓋が開けられない場合が多く、12サイズであまり多石に拘っても仕方ないのかも知れません。
 

・プレートの種類について

プレートとは、ムーブメントを覆っている金属板のことを指しています。
一般に、3/4プレートといって、ムーブメントの3/4を金属プレートが覆っているタイプが多く18sクラスには、フルプレートと呼ばれるムーブメント全体を金属板が覆っているものや、ブリッジムーブメントといって、ちょうどムーブメントの中央に橋が掛かっているように金属のバーが渡してあるものが主流です。

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見映えだけで言うなら、ブリッジプレートには美しいデザインのものが多く、フルプレートはちょっと地味な印象を受けるかも知れません。3/4はその中間といった感じでしょうか。

しかし、フルプレートは密閉されているが故に、ムーブメントを開けても、埃が内部まで侵入する危険性が少ないというメリットがあります。
一方で、ブリッジプレートは、修理の際に調子の悪い部分のパーツだけを取り外すことができメンテナンスの面では優位と言われます。
これは、優劣を争うというよりも、色々なデザインを見て、自分の好みを知るのが良いと思います。
 

・緩急針(レギュレーター)の種類について

緩急針というのは、時計の進み具合を微調整するための調整機構を指しています。

Image_8point_20 調整機構なので、一般の方が触る部分ではないのですが、この緩急針のデザインを見ると、ある程度ムーブメントのグレードを見分けることができるので、ムーブメントの緩急針にこだわりを持つ方々は結構いらっしゃいます。色々なモデルを見比べてみると良いでしょう。

緩急針だけでもかなりの量があるため、詳細は省きますが、単に針が一本出ているだけのプレーンと呼ばれるタイプから、白鳥の首を連想させるスワンネック、ウォルサムが特許を持っているスターホイール、エルジンではお馴染みのトラベリングナットなど、数多くのバリエーションが存在します。

ムーブメントを眺めるときは、緩急針のデザインにもぜひ注目してみて下さい。
 

★ポイント6:ブランドを考える

6つめのポイントは、それはブランドです。
海外製のアンティーク懐中時計では、大きく、アメリカ製、スイス製、イギリス製に分類されます。

Image_8point_21 現代では、高級時計と言えばスイスですが、懐中時計に関して言うと、20世紀前後はアメリカ製が隆盛を極めていたと考えて良いでしょう。アンティーク懐中時計にまだあまり馴染みが無いなら、アメリカ製の懐中時計を選ぶことをおすすめします。

アメリカ製の懐中時計ブランドには、エルジン、ウォルサム、ハミルトン、イリノイハンプデン、ハワード、ロックフォード辺りのメーカーを押さえておくと良いです。

メーカーの特徴は長くなりすぎるので割愛しますが、上記メーカーはいずれも有名なアメリカ懐中時計の大手です。また現代でも比較的流通があり、リペア用のオーバーホール用パーツの製造・流通があるため、長く付き合う上で安心感があると言えます。
 

★ポイント7:アフターケアが可能であるかどうか?

これはどちらかと言うと、購入店の選び方なのかも知れません。
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機械式懐中時計、とりわけアンティークやビンテージといった年代物の場合、良品を購入することと同じかそれ以上に、購入後のオーバーホールや、相談を請け負うことのできるショップを選んでおくことは重要なポイントかと思います。
クォーツと違い、機械式の懐中時計は、3~4年に一度はオーバーホールを必要とします。

単なる分解掃除ではなく、消耗パーツの製作や、微細な歪みの調整などのしっかりとしたアフターケアのできるお店を選んでおくのが良いでしょう。
 

★ポイント8:トータルコーディネート可能であること

懐中時計というものは、腕時計を選ぶのとは少し異なり、持ち歩いて使う場合と、自宅で保管しておく場合とで、扱いが異なります。
懐中時計は、英語でポケットウォッチというくらいですから、基本的にはポケットに入れて持ち歩くことを想定していますが、何かの拍子にポケットから抜け落ちるかも知れません。

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それを防止するために、落下防止のチェーンを付けたり、大きな懐中時計を持ち歩く場合には、洋服の型崩れを防止するために、レザー製のケースに入れて持ち歩くのが一般的です。

また、自宅で保管する際には、その美しさを楽しむために、ガラスのケースにしまって、家に飾るときにもインテリアのように楽しむことです。

これは、バンドの交換くらいしか周辺アクセサリのバリエーションが無い腕時計に比べ、扱いが繊細であるということですが、同時に懐中時計を持つ楽しみでもあります。

100年前後の長い時を経て現代に生き残った素晴らしい懐中時計たち。
これはもう、今後同じクォリティのものを作るのはコスト的に困難だと言われています。

子孫の代まで、1つでも多く良質な懐中時計を受け継いでいくために、上手にアクセサリ類を利用したいものです。懐中時計を選ぶ際には、こうしたアクセサリ類が充実していてトータルでコーディネート可能かどうかも1つの基準として考えるのが良いと思います。
 

まとめ

いかがでしたか?今回の記事はかなり読み応えがあったと思います。
懐中時計のブランドやスペックを知ることは確かに重要です。

しかし、あまり細かなメーカーの違いに神経を尖らせるよりも、まずご自身の利用シーンに注目すべきではないかと僕は考えています。

アンティーク懐中時計も時計です。やはり日ごろ使ってこそ意味があると思います。
まず、ご自身の利用シーンに応じたケースデザインやサイズを考えてみること。メーカーやムーブメント云々はその後でも十分ではないかと思うのです。

前述の通り、電池式の懐中時計と違い、アンティークの機械式懐中時計を選ぶ場合は、アフターケアが受けられることが何よりも大切だということも是非憶えておいてください。
それらを考えあわせたうえで、初めて値段も考えましょう・・・だと僕は思います。

単に値段別で懐中時計をオススメしているサイトが多いので、本当におすすめの懐中時計はどのようにして選ぶのが良いか、そのポイントをご説明させて頂きました。

懐中時計の選び方として、参考にして頂けると幸いです。


★次のコラム:あなたが懐中時計にチェーンを付けておくべき7つのワケ