その後のファミリーヒストリー その二

こんばんは。
新店長です。

「その後のファミリーヒストリー」は続きます。

お客様のN様の元にEDMONDの懐中時計が戻り、N様が喜び、私が胸をなでおろした翌々日の3月18日。
N様からメールが入ります。

「ご相談があります。

昨日一日、EDOMONDをペンダントにして一緒にいました。
しかし、困ったことが生じました。

ご存じのように、ガラスのひび割れや欠けがあり、4時辺りにある飾りが回転してグラグラになってしまいました。
ガラスの破片の角や、飾りの角が洋服に引っかかります。

このまま使用すると、気がつかないうちに金属の飾りを紛失しそうですし、ガラスの破片もケガにつながるかもしれません。
せっかく元気になって帰って来たのに、なんとか出来ないものか、思案中です。」

確かに、手元に届いたEDMONDを確認したときには、懐中時計には経年の疲労でほころびが見受けられ、実際に着用して使用するとすれば、さらに劣化の原因になりそうな心配があったため、正直にN様にこのように返答しました。

「ガラスケースにご隠居いただき、しっぽりと眺めさせていただきながら時の刻むのを楽しませていただくほうがよいかもしれません(笑)。
私でしたら、そのような選択になるかと…。」

その後すぐに電話があり、どうしても使用したいとの強い意志を伝えられ、ご自身で中身をご覧になりたいとのことでしたので、開け方をお伝えしました。

そのときのN様のお返事メール。

「わがままなお願いに対応していただき、ありがとうございます。
さっそく、虫眼鏡で穴を探し、精密ドライバーで開けてみました。
(一生懸命に動いている内部を見て、感動しました!)

装飾部分と時計本体がどのように組み合わされているのか、おそるおそる触ってみたところ、装飾部分はドーナツ状になっていて、竜頭とその軸で支えているようです。
(蝶番でなくてよかった!)

ただ、竜頭とその軸の離し方が分からないので、そちらにこのまま送り、そちらでいったん時計部分と装飾部分に分けて、分けた状態でこちらに送り返していただけないでしょうか。
(内部がむき出し状態はとてもこわいので・・・。)

装飾部分だけを樹脂等で自分で修理してみます。
見た目と使い勝手は自分で決めます。
竜頭とその軸がうまくはまる隙間を残すところが不安ですが。

もしかしたら納得できるようには無理かもしれません。
自分で納得したら、その後もう一度そちらに送りますので、時計部分をはめて竜頭を止めて送り返してもらえないでしょうか。

どうでしょうか。   N」

こんな感じで、女性ながらも懐中時計に向き合い、果敢にも中身まで確かめられたN様。
大変手先が器用な方らしく、ご自分で装飾部分を調整して修理を施すとのことでしたが、竜頭と軸部分のはずし方がわからないとのことで、こちらに再度送っていただき、はずす作業を行ったらそのまま返却することとなりました。

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こちらでも専門的な作業となるので、修理部門にまわし、慎重に取り外し作業を行ってもらい、再びN様の元に返却することにしました。
下のいただいたメールのように、完全に懐中時計の虜になられたようですので、完全に応援してサポートせざるを得なくなったのです。

「お心遣いいただき、ありがとうございます。
ガラスを元通りにすることはできませんので、ヒビと欠けを「埋める」ということを考えています。

金継ぎか、エポキシ樹脂か、透明パテのようなものはどうかと思っています。
プラモデルやフィギア作りのフロアにありそうです。

蓋を開けずに出来そうなので、表面はそれでもいいのですが、一番の問題は、竜頭とその軸が元通りはめこめるかというところです。
力がかかるからか、破損もそこが一番激しいです。

洋服等に引っかかるのは良くないですが、自分でやろうと思ったくらいですから、見た目はあまりこだわりません。

元気に動きはじめてくれたので、もうしばらく使いたいのです。

貴社にとっては専門外の作業だと思いますが、職人さんの技術をもってしていただけるのなら、それほど嬉しいことはありません。

どうぞよろしくお願いします。  N」

続く…