懐中時計に刻まれるホールマークとは?

アンティーク懐中時計に刻まれるホールマーク

腕時計の多くは、つくった人の名前や住んでいた町がわかるだけでなく、ずいぶん古いものでも作られた年もわかるようになっています。イギリス製の金、銀、プラチナ製品には、ホールマークと呼ばれる刻印が打ってあります。各都市の毎年の刻印を集めた資料が、何種類も公刊されています。時計の裏蓋をあけ、ケースの内側に刻まれた記号を調べます。この記号がホールマークと呼ばれるものです。

 

懐中時計 ホールマーク

アッセイ・オフィス・マーク

ホールというのは、中世のヨーロッパにあったギルドと呼ばれる同業組合の建物・ギルドホールであり、ホールマークはいわば組合マークです。いくつかのマークのうち必要なのは、アッセイ・オフィス・マークつまり金属の検定事務所のある町のマークで、タウンマークともいいます。ロンドン、バーミンガム、シェフィールド、エジンバラ、チェスター、グラスゴー、ダブリンなどの町です。
このマークは薄くなっていたり、小さい模様なので読みにくいこともあります。

 

アッセイ・オフィス・マーク

 

デイトレター

次にデイトレター。シールド(盾)の形をしています。ただ、シールドの下の部分は年によって変わることがありますので、ただし書きをよくみる必要があります。これで製造年を確認することができます。

懐中時計のデイトレター

製作年がわかるイギリスの懐中時計

ホールマークで製作年がわかるのは、イギリスの時計だけといわれています。

懐中時計 ホールマーク

その他の国の懐中時計の製作年は?

アメリカの時計は、ほとんどが会社になってのものですので、各社ごとのシリアルナンバーで製作年がわかります。一方、スイスの製品は、ほとんどわかりません。シリアルナンバーを明記して会社に問い合わせると調べてくれる例もありますが、ごく一部の会社をのぞいて、長い年月の間に離合集散が繰り返されていて、ほとんどわからなくなっているといわれています。それは日本の時計についても同じで、たとえば精工舎の最初の懐中時計であるタイムキーパー20型のように、わずか100年程度の製品なのに何年から生産が始まったのかもわかりません。

 

懐中時計 精工舎 タイムキーパー

 

他の懐中時計も生産開始の都市がわかる程度で、個々の時計の製造年はわかりません。たとえケースナンバーが刻印されていても、それから製造年をたどることはできません。