【さまざまな懐中時計】八日巻き時計(見えテンプ)

八日巻き時計 見えテンプ

時計の歯車やテンプの動きを見たいという誘惑は、洋の東西問わず、時代を問わずありました。しかし、いつも蓋を開けて機械を見ているわけにはいきません。
その妥協した結果が、中蓋にガラスを入れるという工夫です。下に機械があり、上に裏蓋があるので、中蓋のガラス作りには苦労が要ります。薄くて、ヤマが低くないといけません。薄ければそれだけ割れやすくなります。鍵巻きだと、ガラスに鍵を通す小さな穴もあける必要があります。

明治時代の商館時計で、中蓋がなくなっているのが多いのは、中ガラスが長持ちしにくいことの証明かと思います。
見えテンプも、こういうオーナーの好奇心を満たそうという考えからできたのです。表蓋の下の部分にテンプと緩急針をもってきて、テンプ輪やヒゲゼンマイの動きをいつまでも見えるようにしてあります。

見えテンプという形式は、ほとんどスイスかドイツの時計にしかありません。もともとはスイスのヘプドマス社の工夫になりますが、他社のものを含めてヘプドマスまたはヘプドマス式と呼んでいます。この時計を花時計とも呼ぶのは、文字盤の両側に花が描かれているためです。八日巻き時計ともいいます。裏蓋の全面にわたって1mくらいもあるゼンマイが組み込まれています。一週間ゼンマイをもたせようとすると、100回くらい巻かなければなりません。

八日巻き時計 見えテンプ

八日巻き時計 見えテンプ

スイス製で無銘の八日巻き時計です。
鉄側の丸型、ダボ押し。
3時のところに竜頭があるのは、もともとは両蓋用に作られた機械。
直径4.8cm。

八日巻き時計 見えテンプ

八日巻き時計 見えテンプ

スイス製ヘプトマス社の小型の八日巻き時計です。
0.800の銀側の両蓋、ダボ押し。
1901年のブリュッセル、1906年のミラノ万国博で受賞の刻印。
直径4.0cm。

八日巻き時計 見えテンプ

八日巻き時計 見えテンプ

スイス製ゼネット兄弟商会の刻印入り、少し大型の八日巻き時計です。
鉄側角型、ガンメタル、ダボ押し。
中国向けの輸出品と思われます。
ケースの下部を開けて、スタンドとして立てて置くこともできます。
直径5.0cm。

八日巻き時計 見えテンプ

八日巻き時計 見えテンプ

八日巻き時計 見えテンプ

ヘプドマス社製、イエローゴールド・メッキの八日巻き時計です。
ダイアルは横に長い楕円形、テンプ押さえにルビー。
裏蓋に農耕図のラプセ。
直径5.0cm、重さ120g。