【懐中時計の構造】懐中時計の指示機構

懐中時計の最終工程は、文字盤(ダイアル、フェイス)と針(ハンド)によって、時、分、秒を指示する装置になります。大まかには、17世紀の終わりにヒゲゼンマイの発明と脱進機の改革が行われて、時計の精度は急速に進みました。

それまでの懐中時計は、まさに「時」計であって時間単位のものに過ぎませんでした。それが分の単位まで計測できるようになったのです。それまでの懐中時計には1本の針が普通でしたが、精度の向上は、短針(アワー・ハンド)と長針(分針、ミニット・ハンド)の二本の針で時を刻むようになりました。

懐中時計の指示機構

今でも、17世紀以前の一本針の懐中時計を入手することは不可能ではありませんが、なかなか困難です。残っているものが少ないことと、少ないことが大きな理由になって、精度が低く誤差が大きいにもかかわらず、値段が高いからです。

18世紀の終わりごろからは、マリン・クロノメーターの開発によって、秒単位の計時が可能になり、19世紀に入ると、秒を示すスモール・セコンドが広く採用され、さらにセンター・セコンドの流行へと移っていったのです。

それに加えて18世紀には、カレンダー機構やストップウォッチ機構をもつ、中三針も作られるようになりました。ブレゲの設計にかかわるマリー・アントワネットの時計のように、たくさんの針を動かして、複雑に時を示す時計も現れたのです。