【懐中時計の構造】懐中時計の動力機構

懐中時計の機械の主要部分はそんな組み立てになっているのでしょうか?

懐中時計に限らず、機械式時計の構造は4つの部分に分けられます。

動力機構
伝達機構
調速機構
指示機構

です。

まず、動力機構ですが、時計を動かす原動力は香箱におさめられているゼンマイ(メイン・スプリング)です。ゼンマイは焼入れした薄い鋼の帯で渦巻きの渦巻きの形をしています。一方の端は香箱(バーレル)の真にかかり、他方の端は香箱の内側に固定されています。

機械式時計の仕組み

鍵巻き時計では、鍵を香箱真の端に差し込んでゼンマイを巻きます。竜頭巻きでは竜頭を引き上げて時計回りに巻くと、巻き真がキチ車を回し、キチ車は丸穴車、角穴車を回し、さらに香箱真を回してゼンマイが巻かれます。竜頭を逆に回すと空回りするので、巻いては戻す動作を繰り返しながら、ゼンマイを巻きしめます。

世界で最も複雑な機械式時計

針合わせは、鍵巻き時計の場合には、ゼンマイを巻く鍵を二番真に差し込んでハリを動かします。普通はゼンマイを巻く鍵が、そのまま針合わせに使えます。しかし、時には二つの鍵が必要な場合もあります。
おそらく、当初は同じ鍵を使っていたのが、長い年月の間使っているうちに鍵を合わせる真の太さに違いがでてきたからでしょう。ゼンマイは毎日およそ10回くらい巻きますが、針合わせはほとんど使わないので、違ってくるのが当然かと思います。

時には、円形の緩急針を回す鍵と三本の鍵が必要な時計もあります。なお、緩急針は数字の多いほうに回すと進み、小さい数字のほうに回すと遅れます。古い時計は、ヒゲゼンマイが短いので、緩急針を少し動かしても敏感に反応するので注意を要します。

懐中時計の緩急針

また、ゼンマイを巻く鍵穴の場所も時計によって違います。いくつものやり方がありますが、大きく分けると、文字盤にでている真にはめこんで動かす形式と、裏の中蓋にある鍵穴に差し込んで回す形式とがあります。いずれも買ったときに確かめておく必要があります。

竜頭巻きの形式では、竜頭を引き上げて回します。懐中時計の場合と同じです。この場合にも、竜頭の引き出しがゆるい時計と固い時計とがあります。極端に固かったり、反対に緩すぎる場合には修理してもらったほうが良いし、それほどでなくても何度か繰り返して慣れておく必要があります。