【懐中時計の構造】懐中時計の伝達機構

懐中時計の伝達機構は、動力機構を脱進機、調速機と結んで、発生したエネルギーを規則正しく伝えるための歯車の輪列です。時計の全工程の中で、最も大きな部門を占めています。

伝達機構には二つの系列があります。

一つは、動力部門で作られたエネルギーを脱進機に伝える輪列であり、もう一つは指示装置を動かす輪列になります。

懐中時計の各機構

伝達機構の大まかな筋道を言いますと、香箱車のゼンマイの力で香箱カナが動かされ、それから二番カナ、二番車、三番カナ、三番車、四番カナ、四番車、さらにガンギカナとかみ合って、香箱からガンギ車までが連動します。

この過程で、軸真の回転数は早くなり、ガンギ真の回転は香箱真の3000倍から5000倍まで高まります。これがいわゆる表輪列です。

裏輪列と言われる指示輪列について言いますと、三番車の真は、一時間に一回転します。これに取り付けられた長針が分針です。長剣とも言います。

二番真にはツツカナが固く取り付けられています。そこで二番真がまわればツツカナも一緒に動き、カナを回して日の裏車の歯とかみ合い、日の裏車を回転させます。短剣車に取り付けられた短針が時針であり、短剣車は12時間に1回転します。

なお、四番車は秒針を動かすので、1分間に1回転、1時間に60回転します。香箱の回転数は、ふつう24時間に3回転(8時間に1回転)、または4回転(6時間に1回転)します。