【懐中時計の構造】くさり引き装置

懐中時計のゼンマイの回転する力は、ゼンマイを巻きとった状態で最も大きく、ゼンマイがほどけるにしれて弱まります。つまり、巻き始めには時計は進みがちになり、ゼンマイがほどけるにつれて遅れ気味になります。

それを補正して、歩度を均一化するためにとられたのが、下のようなフュージー(くさり引き、チェーン引き)です。1525年にプラパの人、ツエッヒが考案したといいます。

フュージー(くさり引き、チェーン引き)

ツエッヒは、軸が固定されている香箱の端にくさりの一端を固定し、他の端をフュージー車(均力車、円錐滑車)に結びつけます。フュージーには小さい半径から大きな径につながる溝が切ってあります。

ちょうど渦巻形の蚊取線香を引き伸ばしたような形になっています。ゼンマイがほどけ、香箱が回転するにつれて、次第にフュージーの半径の小さい方から大きい方へくさりが動き、ゼンマイの力を一定にします。均力車と呼ばれるのはこのためです。