【さまざまな懐中時計】軍用懐中時計

軍用懐中時計

軍用時計には、もともと精度が高く耐久力のある高級な時計が選ばれてきました。
アメリカでも日本でも、だいたいは鉄道時計がベースになっています。
しかし、第二次世界大戦によって戦争は大規模化され、動員される兵士の数が膨大になり、必要な時計の数も巨大になりました。
さらに戦闘領域が拡大すると、補給が困難になり、使い捨ての時計も使われるようになりました。
こうして、軍用時計には二つの系統ができたのです。

一つは、精度の高い高級時計、もう一つは使い捨てのタイプです。
意図してコレクションするのであれば、それでも良いかもしれませんが、二つの系統の違いを知った上で選んだほうがよいと思います。

日本の軍用時計は、一部アメリカやイギリスの機械が使われているものもありますが、ほとんどが精工舎製でしたので、機械の違ったものを集めるのがよいでしょうし、外国の軍用時計であれば、製造会社の違ったものを集めるのも一つの方法です。
ただ、日本の軍用時計は数が少ない上に、軍用品マニアと時計マニアが重複するので高価なものになります。
外国製の場合には、スタンダードの機械であれば品質は高くても国産品より比較的安いです。

精工舎 軍用懐中時計

精工舎 軍用懐中時計

精工舎 軍用懐中時計

精工舎(セイコーシャ)製の陸軍精密時計です。
19型7石の鉄道懐中時計を15石に格上げし、直径5.0cmのものを5.8cmのニッケルケースに入れてあります。
戦後の時計店用標準時計を同じ仕様ですが、白文字盤で裏に“陸軍”の刻印があります。
スモール・セコンドのあるタイプで、このほかに黒文字盤のものもあります。

軍用懐中時計

軍用懐中時計

精工舎(セイコーシャ)製の陸軍飛行時計です。
黒文字盤にアラビア数字、夜光塗料が施されています。
7石で19型の鉄道懐中時計をベースにした出車式の中三針です。
文字盤には「(一日巻)飛行時計」の刻印があります。
白文字盤に刻印のないものもあります。
直径4.8cm。

海軍航空隊 カラフ 軍用懐中時計

海軍航空隊 カラフ 軍用懐中時計

海軍航空隊 カラフ 軍用懐中時計

海軍航空隊のカラフ。カラフは、クロノグラフのことで、ストップウォッチのついた軍用懐中時計。
第二次世界大戦中に軍の命令で精工舎が、モーリスのカラフをモデルにして作っています。
しかし、敗戦で生産は中止されました。
裏蓋に「夜光時計一型」“空”六二五四の記号があります。
直径5.2cm。

イギリス 軍用懐中時計

イギリス 軍用懐中時計

イギリス 軍用懐中時計

ウイリアムソン社製のイギリス軍用懐中時計です。
やや大型で、ローマ数字、7石、ねじり蓋、チラネジが使用されています。
ケースはデニソン社製。
裏蓋にアローマーク(イギリス政府用品のマーク)があります。
直径5.8cm。

ハミルトン社製 軍用懐中時計

ハミルトン社製 軍用懐中時計

ハミルトン社製、鉄道懐中時計をベースにしたモンゴメリー・ダイアルの軍用懐中時計です。
ねじり蓋、22石、4992B、六姿勢調整。
ケースはキーストーン社製のセンターセコンド。
直径5.2cm。

ゼニス社製 軍用懐中時計

ゼニス社製 軍用懐中時計

ゼニス社製のイギリス軍用懐中時計。
ニッケルケース、7石、スモール・セコンド、巻き上げヒゲ、チラネジ、アンクル脱進機、竜頭巻き、夜光塗料。
文字盤上にアローマークが刻印されています。
直径5.8cm。