【さまざまな懐中時計】装飾懐中時計

装飾懐中時計

紳士にもてはやされた懐中時計として、装飾の懐中時計があります。
蓋や文字盤に装飾が多く施されています。
特に男女別にはこだわりません。
むしろ、ちょっと目立つ特性を男性用の感覚が強く、割り合い大型の時計が多いのも特徴があります。

ラプセといわれる打ち出し細工の時計は、18世紀の終わりごろに流行しましたが、19世紀になっても、見かけることは少なくありません。また、大正時代のころ、日本の彫金師などが時計のケースにさまざまな細工をしたそうです。

七宝や金象嵌、彫金などの工芸品としての細工も数多く残っています。ケースの地金も金、銀のほか、ガンメタルといわれた鉄側を使います。それ自体は装飾時計とは言いにくいですが、渋い好みが案外受けていたものと思われます。

また、機関車の絵を彫ったり、描いたりした懐中時計はかなり多いです。鉄道懐中時計に採用してもらうつもりがメーカーにあったのかどうかはわかりませんが、これも一種の装飾懐中時計と見てよいでしょう。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

装飾懐中時計

スイス製エルメスの懐中時計です。
ケースは日本製。
鉄側のケースに日本の民家と月をあしらった風景の金象嵌で、秀玉というサインが入ってます。
直径4.3cm。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

18世紀末ごろのG.プリオア作、銀側、鍵巻き、くさり引き、ペア・ケースの装飾懐中時計です。
ホールマークはありません。
アダムとイヴのラプセ模様が描かれています。
外径5.7cm、厚さ3.6cm、120gと厚くて重い時計です。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

装飾懐中時計

上のプリオアの作品よりも100年ぐらい後の、バセロン・コンスタンタン作、銀側、片蓋、ダボ押し、ラプセの装飾懐中時計です。
平和の女神・パックスと軍神・マルスの絵が描かれています。
直径5.2cm、重さ100g。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

17世紀後半頃の、ジョン・テイラー作、両面ガラス、鍵巻き、くさり引きの装飾懐中時計です。
ゼンマイの巻き穴が文字盤にあり、ベゼルはすべて七宝になっています。
ホールマークはありません。
直径6.5cm、重さ170gという大型の懐中時計です。
精度は1日に7分弱の誤差があるといわれています。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

90~100年くらい前のターバン社製、銀側、両蓋の装飾懐中時計です。
15石、チラネジ、切りテンプ、アンクル脱進機をもち剣引き剣まわしです。
裏蓋は金象嵌つきの草花の浮かし彫りとなっています。
直径5.0cm、重さ100g。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

装飾懐中時計

90~100年くらい前のスイス製、銀側、両蓋の装飾懐中時計です。
剣引き剣まわしです。
表に鳥と花の模様があります。
直径4.8cm、重さ130g。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

装飾懐中時計

スイス、ドウマ製、銀側、片蓋、竜頭巻きの装飾懐中時計です。
7石、アンクル脱進機があります。
蘭の花の模様があり、いわゆるトウラ・シルバーによる仕上がりです。
直径4.3cm。

装飾懐中時計

装飾懐中時計

装飾懐中時計

1905年にリエージュ、1906年にミラノ万国博で受賞した、ドクサ製、銀側、片蓋、ダボ押しの装飾懐中時計です。
ラプセによる狩猟の図が描かれ、文字盤は七宝で作られています。
直径6.9cm、厚さ2.0cm、重さ225gと大きくて重い時計と言えます。