【さまざまな懐中時計】リピーター

リピーター

電灯が街や家庭を明るくするまでは、どんなに地位の高い人やお金持ちでも、夜は暗くて時計も見ることはできませんでした。
夜は時計にとっても、働き甲斐のない時間でした。
こういう時代に、暗い時にも時計に役割をはたさせようとして工夫されたのがリピーターなのです。

リピーターには、クォーター・リピーター、ファイブ・ミニッツ・リピーター、ミニッツ・リピーター、ハーフ・クォーター・リピーターがあります。

リピーターの鐘は、まず初めに、過ぎた最終の時の数だけハンマーで打ちます。8時37分であれば8つです。そのあとクォーター・リピーターならば2つ打ちます。つまり、正時から14分過ぎまではハンマーは動きません。15分から29分までは1つ打ちます。30分から44分までは2つ、45分から59分までは3つ打つのです。

ミニッツ・リピーターは、まず8つ、次にクォーターを2つ打ったあと、また7つ打ち、8不37分であることを知らせます。

ファイブ・ミニッツ・リピーターは、8つ、2つ、1つを打ちます。

リピーターは、1676年にエドワード・バーロー(E.Barlow)が発明したので、17世後半から、こういう複雑時計がお金持ちのために作られていたことになります。
リピーターに金側が多いのは、お金に不自由しない人たちに、求められていたためかと思います。

日本では二度打ち時計とか、押し打ち時計、引き打ち時計などともいわれていました。二度打ちはクォーター・リピーターを頭においた呼び方で、引き打ち、押し打ちはレバーをセットする方法からの言い方になります。

リピーター 懐中時計

リピーター 懐中時計

ドイツ製の銀側、鍵巻きのクォーター・リピーターです。
おそらく18世紀末ごろのものです。
クォージッヒのサイン入り。
細首で、リピートするときには、長い竜頭の頭を押し下げます。
直径5.6cm。

リピーター 懐中時計

リピーター 懐中時計

スイス製、ガンメタルのクォーター・リピーターです。
ダボ押し、アストロ銘、スモール・セコンド。
鳴金は普通時と分と二本あるのですが、これはハンマーが一つで鳴金も一つあります。
それでも音の聞き分けができるというところがおもしろいです。
直径5.2cm。

リピーター 懐中時計

リピーター 懐中時計

リピーター 懐中時計

スイス製、銀側、両蓋のクォーター・リピーターです。
ウトモスト銘、剣引き剣まわし。
1905年のリエージュ、1906年のミラノの万国博覧会で受賞の記録が彫ってあります。
ハンマーも鳴金も二つついています。
直径5.2cm。