【さまざまな懐中時計】スケルトン

スケルトン 懐中時計

機械の動きがガラス越しに見ることができるもう一つの形式がスケルトンです。
スケルトンでは歯車の輪列を見る人の、美的な感覚に訴えるための配列、配色などの工夫が必要になります。

見えテンプは、テンプとヒゲゼンマイの動きだけで、それを表現します。スケルトンでは、全輪列をもって鑑賞にたえるものにしなければなりません。

そのため、時計としての実用性を損ねないためには、歯車の動きと張りの動きとが入り組んで、時計のもう一つの機能である針の位置の見やすさなどについて十分に考慮されなければなりません。

スケルトン懐中時計

スケルトン懐中時計

ジェラルド・ペルゴー(ジラール・ペルゴ)のスケルトン懐中時計です。
日本の昭和初期から戦後ぐらいの製作。竜頭巻きなのでそう古くはない時計ですが、製造年を確定する材料がありません。
黒と白のコントラストが鮮やかで機械部分の動きに惑わされずに、針動きがよく確認できます。
この時計は、石油のシェル社が社会保険組合員に配ったものらしく、歯車に大きくSHELLと彫られてあります。
くさりにはメダルがついていて、社会保険番号のほか、拾った人はシェル社に送り返して欲しいと番地まで彫ってあります。
7石入り、直径4.3cm。

スケルトン懐中時計

スケルトン懐中時計

スイス・ニューシャテルにあるアエロ社製のスケルトン懐中時計です。
大型の金メッキで直径4.9cmですが厚さは1.0cmにも満たない薄さ。17石入り。
文字が書かれた帯が細く、短針が機械の中に埋没していて読みにくいですが、それなりに工夫が施されていて若い人向きの派手さもある時計です。

スケルトン 懐中時計

スケルトン 懐中時計

スケルトン 懐中時計

スイス製のスケルトン懐中時計です。
銀側、鍵巻き。
スケルトン懐中時計の仲間に入れるには少々無理がありますが、今から150年位前にもこんな工夫があったことがわかる。
中蓋を開けて機械部分を見ると、受けの形が変わっていて、骨組みをつないだ形で機械を支えています。
そのうえ、磁石(方位盤)まで組み込まれてあり、まるで龍が玉を抱くような形をしています。
おそらく特別な注文によって作られたものと思われます。
直径4.7cm。

スケルトン 懐中時計

スケルトン 懐中時計

おそらく18世紀終わりから19世紀初めごろのフランス製のスケルトン懐中時計です。
スケルトン懐中時計に入れるよりも大名時計(※)として紹介したほうが良いかもしれません。
オランダ経由で長崎に運ばれ、大名の所有となりました。
無銘で製造年、製造者、国の記録はありません。
輸入の後、文字盤を十二支の割駒式改めてあります。
裏蓋はガラスになっていて、テンプの動きや緩急針が見えるようになっています。
シングルの銀ケース、直径5.4cm。

※大名時計とは
徳川時代に日本の時計師が作った、置き時計や掛け時計、輸入された西洋時計を日本の時刻制度に合うように改造したものを通常、和時計といい、こういう時計はいくら金持ちでも農工商の人は持つことができませんでした。ほとんどが大名の所有になっていたので、大名時計と呼ばれました。

スケルトン 懐中時計

スケルトン 懐中時計

スケルトン 懐中時計

イギリス・デント社製のスケルトン懐中時計です。
球体時計をスケルトンの仲間に入れて良いものかどうかわかりませんが、両面がガラスでムーブメントの動きがよく見えます。
単にガラスケースではなくて、拡大鏡になっています。
もとは置き時計の石の少ない機械が入っていたようです。
それを懐中時計の精度の高い機械に入れ替えたものですので、よほど持ち主は愛着を持っていたのだろうと思われます。
文字盤にはいわゆる三角デントと呼ばれるサインが入っています。
三角形の中にDENTと書かれています。
あの有名なビッグ・ベンを作ったデントの流れをくむものだろうと思われます。
15石入り、ダボ押しなので100年位前の時計と思われます。
スモール・セコンドつき。
直径5.5cm、奥行き5.2cm、重さ260g。